排ガス、騒音が少なく、ディーゼル車両に代わる鉄道として期待されている「燃料電池電車」。
鉄道総合技術研究所は、台車のみの走行実験に成功し、今後模擬車両を作って走らせる計画。
2010年ごろを目標に世界初の実用化を目指している。
2001年から本格的に研究に着手。電車の実物の台車を時速50キロまで加速させることにこぎつけた。

搭載する燃料電池は、今最も研究が進み、今後も高性能、低価格化が期待できる自動車用の「固体高分子型」を採用。ボンベに貯めた水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を生み出す仕組み。
排出するのは水のみで、二酸化炭素は出さない上、電気でモーターを動かすのでディーゼルエンジンのような振動もない

計画している車両は、二両一組。一両にモーターと電力交換装置(インバーター)、バッテリー、
もう一両に燃料電池と水素ボンベを分散して積む。
最高時速は120キロ走行可能距離は300km〜400kmを設定している。

課題は燃料電池の小型化。
二両の電車を走らせるのには、出力600kwの電池が必要だが、電池の数を増やすだけでは車両の台車と台車の間に収められない。このため現在の電池の3分の1の大きさに小型化することが必要となってくる。

燃料電池メーカーの開発スピードによるところも大きいが、燃料電池の開発の進歩はめざましく、実現までそれほどの時間はかからないのではないかとの見方も多い。

燃料電池電車 実用化が近づく